2024-10-04
死に関するアンソロジーエッセイ集。主題ごとに「第1章 死を哲学する」「第2章 死の科学」「第3章 死の文化的考察」「第4章 死と儀礼と」「第5章 身近な人を葬る----死の考現学」と別れている。安楽死や出生前診断などの生命倫理的な問題から、死刑制度、世界の墓や葬儀の文化、日本で増加する無縁墓、自死遺族のケアなど、話題は多岐にわたる。
しかし、アンソロジーなので相互の関連性がなく、体系的とも網羅的とも思われない。あとがきのようなものもなく結論めいたことも書かれていない。「縁起でもない」という常套句に象徴されるように、日本では死の話題は「穢れ」として忌避される傾向にあるから、これから死を考えていく上でのたたき台のようなものとして提示されたものであろうか。
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