アストリッド・リンドグレーン著『ピッピ 船にのる』
2021-04-15


18年 6月 2日読了。
 前巻の感想で、ピッピの喋るナンセンスを「粗忽長屋」や「最悪の接触」と似ていると言ったが、「粗忽長屋」とは決定的な違いがある。粗忽長屋の住人達は、自分の言っている事の出鱈目さに気付いていないが、ピッピは面白がって意図的に嘘を吐いているという点である。「最悪の接触」の宇宙人の意図は判らない。いずれにしても、話の筋のずれ具合は大変に魅力的である。
 ピッピは薬の事を「くさり」と言う。
 「あのくさり、ほんとにいいくさりだとおもうわ。わたし、もう、とてもげんきになった気がするの。とくべつ、しっぽのとこが、げんきで、いせいよくなった気がするわ」(p.52)。
 勿論ピッピに尻尾はない。
[本]

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