ジュディ・バドニッツ著『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』
2020-03-19


16年 1月22日読了。
 短編集。カフカとは異なる不思議な閉塞感に満ちている。元気な絶望とでも言うか。名前を付けて判った気になるのは良くないな。「来訪者」の、電話の向こうで何が起こっているのか判らない不安と焦燥が、迫力を持って迫って来る。「ナディア」や「水のなか」の残酷も凄味を感じるが、喜劇調の「備え」の破滅を待ち焦がれる人々に奇妙な爽やかさを覚える。カバーや扉に描かれているイラスト、コラージュらしいが、これらも大変に素晴らしい。
[本]

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