森岡浩之著『突変』
2019-10-18


15年 3月28日読了。
 トッペンカケタカ(意味なし)。関東の小さな町が突然異世界に転移する。そこ、裏地球は危険な生物がはびこる世界だった。
 一種のサバイバルテーマだが、事態の深刻さに比して語り口は全体にユーモラス。英雄的人物は登場せず、老齢の町内会長を中心に、スーパーの店長やニートの青年、子連れのパート主婦など、善良でもないが悪人でもない平凡で身近な人物が異常事態の中で悪戦苦闘する。
 大森望の解説では類似主題作品としてエドモンド・ハミルトン『時果つるところ』、楳図かずお『漂流教室』、小松左京『首都消失』などを揚げていたが、俺が真っ先に連想したのは山田正紀『竜の眠る浜辺』である。言うなれば、人々は如何にして日常を再構築したか、というような話。
[本]

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