宮内悠介著『ラウリ・クースクを探して』
2024-07-16


ソ連の一部だったエストニアに生まれ、プログラマーとして天才的な才能を発揮しながらも、ソ連崩壊エストニア独立という時代の波に翻弄される人物の架空伝記。「ラウリは戦って歴史を動かした人間ではなく、逆に、歴史とともに生きることを許されなかった人間である。ある意味、わたしたちと同じように」(p.6)。宮内悠介は歴史や社会に疎外された人間を描く。当時、ソ連にあったコンピュータは日本製のMSXで言語はBASICだったというのも面白い。

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