『ちくま日本文学全集 武田泰淳』
2022-01-15


20年 3月14日読了。
 中国の歴史について書かれた「秋風秋雨人を秋殺す」「司馬遷伝」は、調べる過程も描かれていて、小説ともエッセイともつかない。どちらでも良い事ではあるが。
 十三妹の理解しにくい内面を謎めいて描いた「女賊の哲学」が面白い。並の者とは隔絶しているが、彼女なりに統一の取れた理屈や心の動きがあるのだろうと想像されるのが良い。
 やはりこの世代の人は敗戦という事に捕われていて、それをどう消化するか、という問題が展開する。未だに消化できていないわけだが。
[本]

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