北野勇作著『大怪獣記』
2021-04-03


18年 4月26日読了。
 全体にとぼけた味のメタフィクション。俺達の世代は筒井チルドレンだから、どうしてもメタフィクション的に成るのだろう。作家である主人公の住む街で進行する、「映画制作」と称される奇怪な何か。主人公はそれが何であるのか良く判らぬ内に深く関り合っていく。北野勇作らしい、全体像が見通せない薄ぼんやりした(褒め言葉)話。
 主人公の妻の性格、と言うより、物語に於ける位置が面白い。主人公に取っては親しい妻なのだが、その他の登場人物達は何となく恐れている。
 ところで、この作品は創土社の「クトゥルー・ミュトス・ファイルズ」というシリーズの一冊として出版されているが、それがどんな物なのかという説明がどこにも書いてない。いやまあ大体想像は付くけど。
[本]

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