『吉田知子選集3そら』
2019-10-04


15年 2月 9日読了。
 「静かな夏」の主人公の淡々とした残酷さも強烈だが、俺には「幸福な犬」の印象が強い。題名に反して犬も主人も少しも幸福ではない。それなのに別れる事ができない。登場する犬は人語を解する事もあり、どうしても恋愛の隠喩として読んでしまうが、独自の関係として捕えた方が面白かろう。「箱の夫」と「艮」も面白いが既読。両編とも記憶にある印象よりもずっと短いので少し驚く。表題作は子供の孤独が描かれていて痛々しい。
[本]

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