2019-08-19
14年10月21日読了。
境界についてのエッセイ集。向こう側とこちら側、内側と外側、明確なシャープな境界、曖昧なダルな境界、変化する境界、境界を行き来する物。
「加藤氏の文学的手法を、つまり、他者の視点を、皮膚一枚下の自分の内で同時進行形で起きている世界として、客観的に捉えてゆく感覚を、意識的なわざとして自分のものにする。それは、観念的なものとしてでなく、プラクティカルなものとして。思考されるものとしてでなく、体感されるものとして」(p.35)。
「気の遠くなるような、あとの世代かもしれないけれど、今から少しずつ、DNAにバトンを渡してゆけば、きっと」(p.36)。
「高千穂岳の向こうから、ただならぬ顔つきの暗い雪雲が、俯いたまま真っすぐこちらに走ってくる」(p.120)。
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