チャイナ・ミエヴィル著『クラーケン』上下
2019-05-31


オカルト都市ロンドン。魔法専門に扱う警察部署。ダイオウイカを神と崇めるカルト教団。ダイオウイカの標本を奪い合う数々の魔術組織。魔術師たちの下部である筈の遣い魔たちのストライキ。ストーリーはあってなきような物。ならば、次々に現れる魔術的イメージの面白さが肝要と成る筈だが、どれもそれほどの凄味は感じなかった。頭が手になった拳頭(ナックルヘッド)と、人形から人形へと乗り移る霊的存在が面白かったけど。魔術で繋ぎ合わされる都市のもう一つの顔、という意味では『帝都物語』の方が面白い。シュールなコメディとして読むのが正解か。あんまり笑わなかったけど。魔女警官がくっそったれに愛らしい(ファッキン・チャーミング)。
[本]

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